看護師から治験コーディネーターに転職すると、看護師時代よりも年収が低くなるかも?
夜勤なし、土日休みに惹かれて治験コーディネーターに興味はあるけれど、年収面が引っかかって一歩踏み出せない人も多いことでしょう。
しかし治験コーディネーターは年収が低い職業ではありません。
いずれは看護師よりも年収が高くなる可能性があり、年収1000万円を稼ぐことも可能です。
この記事では看護師から治験コーディネーターに転職した際の年収について詳しく紹介しています。
治験コーディネーターの平均年収は?
治験コーディネーターの平均年収は、2022年9月時点の求人統計データによれば415万円です。
対して看護師の平均年収は、厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査によると498.6万円となっています。
平均年収だけで比較すると、治験コーディネーターへの転職後は、看護師よりも年収が低くなってしまうことになります。
しかし平均年収だけでは、一概に治験コーディネーターは看護師より年収が低いとは言い切れません。
治験コーディネーターは本人の業績や所属企業による年収の差が大きい職種です。
非常に高年収の人もいれば、新卒でまだ年収が低い人もいて、平均年収額はやや低めに算出されてしまいます。
看護師から治験コーディネーターに転職すると一時的に年収が下がる人が多くいます。
しかし治験コーディネーターは年収の昇給率が看護師より高く、いずれは看護師時代と同程度の年収、もしくはそれ以上の年収となる人も多くいます。
看護師から治験コーディネーターに転職すると年収が低くなる理由
看護師から治験コーディネーターに転職した当初は、看護師時代よりも年収が低くなることがほとんどです。
その理由は以下の通りです。
- 治験コーディネーターになると夜勤がないので、年収が下がる
- 未経験の治験コーディネーターは初任給が低い
- 治験コーディネーターになると看護師の資格手当がなくなる
ひとつずつ詳しく解説します。
夜勤手当がなくなる
治験コーディネーターには夜勤がありません。
看護師の年収が治験コーディネーターの平均年収より高いのは、夜勤手当が含まれるためです。
治験コーディネーターになると夜勤がなくなるので、夜勤手当がなくなる分だけ年収は低くなります。
夜勤がないということを考えれば、治験コーディネーターへ転職後の年収はそこまで低いわけではないという見方もできます。
未経験なので最初は年収が低い
看護師としての臨床経験が数年あっても、治験コーディネーターに転職する人は治験職については未経験です。
そのため初任給や転職した初年度は年収が低くなってしまいます。
治験コーディネーターは業績によっても年収が変動しますので、未経験者の初年度の年収は低めに設定されています。
いずれ治験コーディネーターとして勤務年数が長くなれば年収は次第にアップしていきます。
仕事の実績が評価されれば、臨床の看護師時代よりも高年収となる人も多くいます。
治験コーディネーターには看護師の資格手当がない
治験コーディネーターは看護師の経験や資格を活かせる一般職ですが、医療系の資格がなくても就職することが可能な職種です。
そのため、病院勤務時代のような資格手当がつきません。
しかし一部の企業では資格手当をつけているところもあるので、探してみるのも良いでしょう。
看護師よりも治験コーディネーターの方がいずれ年収は高くなる
転職当初は看護師よりも年収が低くなる治験コーディネーターですが、実績を積めばいずれ看護師よりも年収が高くなる可能性は大いにあります。
その理由は以下の3点です。
- 看護師は昇給幅が小さく年収が上がりにくい傾向があるが、治験コーディネーターは昇給幅が看護師より大きい
- 看護師は職場人数と比べて管理職ポジションが少ない。一方、治験コーディネーターは管理職ポジションが看護師より多いため昇進ができる
- 治験コーディネーターは本人の努力や業績が給与に反映されやすい。
治験コーディネーターのほうが昇給・昇進機会が多い
看護師は他の職種と比べて年収の昇給幅が小さめです。
この点は看護業界の年収・キャリアアップの問題点として指摘されています。
人事院の「平成27年職種別民間給与実態調査」によれば、看護師は初任給は他職種と比べると高水準であるものの、その後の昇給幅は低めの推移をしています。
つまり経験年数を積んでも、新卒時代からから年収が上がりにくいということを示しています。
看護師には人数と比較して管理職ポジションが少なく、大きく昇給する機会がありません。
この点も看護師の給料が「頭打ち」と言われる理由のひとつとなっています。
一方、治験コーディネーターは採用初年度こそ年収は低めですが、その後の昇給幅は看護師より大きく、経験を積めば年収は次第にアップしていく給与体制となっています。
治験コーディネーターは本人の努力が年収に反映される
治験コーディネーターは本人の実績が常に評価され、給料に反映される職種です。
業績を上げ、スキルアップに励み、熱心に仕事に取り組むことで、その分どんどん昇給していきます。
看護師の場合、認定看護師資格の取得や看護研究、委員会活動や業務改善に積極的に取り組んだとしても、給料には反映されません。
中小企業であれば、本人の努力次第で若手でも管理職に抜擢されることもあります。
治験コーディネーターは本人の頑張りが年収につながる職種なので、いずれは看護師よりも高年収となる可能性があります。
年収が高めの企業はブラック企業なの?
ここまでは治験コーディネーターに転職後は看護師よりも年収が低くなると伝えてきました。
しかし求人を見ていると、未経験の採用であっても看護師より年収が高い企業もあります。
年収が高いとブラック企業では?と不安や疑問に感じるかもしれません。
しかし、年収が高い=残業やノルマがきつい職場ではないのです。
求人表の年収内容や勤務時間をチェック
求人に書かれている給与は基本給だけの企業もあれば、みなし残業や各種手当てを含めて掲載している企業があります。
一見高め年収に見える企業でも、みなし残業代をのぞくと他社とさほど変わらないというケースもあります。
勤務時間や休日の条件もチェックしてみましょう。
年収が高いと思いきや休日が少なめだったり、年収が低いと思っていたら時短勤務の可能性もあります。
数字だけに惑わされず、求人の記載は細かくチェックしましょう。
大手企業や外資系は中小企業より年収が高い傾向
治験コーディネーターは所属先によって年収の差が大きい業界です。
大手企業や外資系企業は中小企業と比べて年収が高い傾向があります。
外資系の年収は完全能力主義です。
能力の高い人はどんどん高年収となりますが、思うように業績を上げられない人は年収が上がらない、もしくは下がってしまうので、長く勤務し続けることができません。
能力の高く年収が高い層だけが残るので、外資系では年収が高い傾向があります。
大手の治験コーディネーターの企業の場合には、単価の高い難しい治験も取り扱うことが多いため、年収も高めです。
その分、難しい治験ながらも多くの症例数の確保が必要な案件もあり、治験コーディネーターとしての高い能力が求められます。
外資系にせよ、大手にせよ高年収の企業は人材に求めるスキルが高めです。
求められる能力と自身の能力のミスマッチだと「ブラック企業だ」と感じる原因にもなります。
転職の際には求められる能力と自分の能力が合致する企業を選びましょう。
治験コーディネーターに転職し年収をアップさせる方法
治験コーディネーターとして転職し、看護師時代よりも年収をアップさせる方法を紹介します。
大手の企業や外資系企業を目指す
中小企業よりも大手企業、外資系企業のほうが年収は高めです。
大手企業は中小企業よりも治験の数も多く、単価の高い治験を取り扱っています。
もちろん年収に見合うだけの能力も求められますが、その分大手の方が給与水準は高めとなっています。
外資系企業は完全能力主義です。
業績を上げれば年収面において高く評価されます。
治験コーディネーターとして高年収を目指すなら、大手企業や外資系企業を目指しましょう。
治験コーディネーターの認定資格を取得する
治験コーディネーターの業界にはさまざまな学会、協会が設立されています。
それぞれの学会や協会で、一定の基準を満たす優れた治験コーディネーターに認定資格を発行しています。
認定資格を取得した治験コーディネーターに対しては、資格手当を支給している企業が多くあります。
そのため、治験コーディネーターとして年収をアップさせたいのであれば、認定資格を取得すると良いでしょう。
治験コーディネーターの認定資格の一部を紹介します。
- ・日本SMO協会公認CRC:日本で最も人数が多い認定資格
- ・日本臨床薬理学会認定CRC:薬理学界隈で権威のある学会の認定資格
- ・日本癌治療学会認定CRC:比較的新しい資格だが、ガン治療薬の治験はニーズは大きく、取得しておくと難易度の高い治験にも参加できる可能性が広がる
ほとんどの認定資格が実務経験2年以上を課しています。
年収1000万を越えるなら好条件の企業に転職する
治験コーディネーターに転職し、ある程度実績を積んだあとに、より良い条件の企業へ転職することで年収アップを目指せます。
治験コーディネーターの経験者で、かつ評価される実績があれば、転職の際に年収交渉も可能です。
未経験から治験コーディネーターに転職する際、最初から年収が高めの大手企業を目指せないこともあるでしょう。
しかし治験コーディネーターとして経験を積んで実績を出すことで、より好条件の企業へ転職が可能となります。
治験コーディネーターから年収1000万を目指す場合、臨床開発モニターや製薬会社にキャリアチェンジする方法があります。
臨床開発モニターは平均年収が治験コーディネーターよりおよそ100万ほど高いため、年収1000万を越す人もいます。
臨床開発モニターについてはこちらの記事をご覧ください。
年収アップを目指したい、さらには年収1000万円を稼ぎたい人は、将来的にキャリアアップ転職も検討してみましょう。
治験コーディネーターはいずれ看護師より年収が高くなる
治験コーディネーターの年収について説明しました。
最初は看護師の年収と比較すると、治験コーディネーターの年収は低いなと感じることでしょう。
しかし治験コーディネーターは経験年数や実績に応じて、どんどん昇給していく職業です。
いずれは看護師の年収を大きく超える可能性も大いにあります。
治験コーディネーターは医療資格はいらない職業です。
しかし医療の専門知識が必要で、患者と接する機会も多いことから、看護師が活躍が期待されている職業です。
夜勤もなく、平日のみの勤務となりますので、子育て中のママナースにとっても魅力的な勤務環境です。
妊娠や出産で病院を退職したけれど、夜勤のない看護師の仕事をしたい方や、いずれ妊娠と出産を視野に入れながら働き方を考えている看護師にもおすすめします。
治験コーディネーターに興味はあるけれど、病院でしか働いたことがなく、一般企業への転職がイメージできないという方はぜひリジキャリを利用してください。
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リジキャリのキャリアアドバイザーは全員、医療従事者です。
看護師から一般企業に転職する不安も十分理解しながら、転職成功に向けて支援しています。
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