「連日の体位変換や入浴介助で腰痛になってしまった」
「腰痛があってつらいけど、看護師の職業病だから仕方ない…」
このような悩みを抱えていませんか?
看護師は体力的にハードな仕事であり、腰痛を我慢しながら働いているという人も少なくないでしょう。
この記事を読むと、下記のことがわかります。
- 看護師の腰痛の原因
- 今日からできる腰痛対策
- 腰痛に悩む看護師におすすめの職場
早速、看護師の腰痛の原因から見ていきましょう。
看護師の腰痛の原因
腰痛を引き起こす原因は様々で、整形外科的な疾患以外にもあらゆることが考えられます。
では、看護師の腰痛にはどのような原因があるのでしょうか。
主な原因は次の通りです。
- 腰に負担のかかる動作が多い
- 疲れが溜まりやすい
- 緊張やストレスによる影響
それぞれ詳しく見ていきましょう。
腰に負担のかかる動作が多い
看護師はオムツ交換や体位変換など中腰でケアをする機会が多く、移動の介助では患者さんを抱えることもあります。
膀胱留置カテーテルやドレーンの排液の破棄をする際には、ベッドサイドでしゃがみ込む姿勢になることも。
このような動作の積み重ねによって、日常的に腰に負担がかかってしまっていると言えるでしょう。
疲れが溜まりやすい
体力的にハードな看護師の仕事ですが、勤務中にしっかり休憩できないことも多いですよね。
帰宅後も十分に休息を取ることなくまた次の勤務を迎えると、徐々に疲労が蓄積していってしまいます。
筋肉疲労が回復しないまま激務を続けることで、やがて腰痛を引き起こしてしまう可能性もあるでしょう。
緊張やストレスによる影響
一見関係がないように思えますが、緊張やストレスも腰痛の原因となり得ます。
日々のハードな業務や不規則な生活により、ストレスを抱えている看護師は少なくありません。
また、勤務中は気を張ってしまう場面も多いですよね。
精神的なストレスや緊張は身体の緊張をもたらし、血流が滞りやすくなります。
その結果、腰をはじめ肩や首などのコリや痛みの原因となってしまうのです。
今日からできる腰痛対策
腰痛の原因に思い当たることはありましたか?
日本看護協会のホームページには、下記のような記載があります。
看護職の5~7割が腰痛を抱えているとの調査結果もあり、潜在的な腰痛の実態は深刻といえます。
さらに、腰痛の有無は看護職の離職意向にも優位に影響しているため、看護職場における腰痛予防は人材を確保する意味でも重要な課題といえるでしょう。
このことからも、多くの看護師が腰痛に悩んでいること、また腰痛を予防することの重要性がわかるでしょう。
では次に、腰痛の改善や予防のための対策をご紹介します。
- ボディメカニクスを意識する
- 簡単なストレッチを取り入れる
- しっかりと休息を取る
- 整骨院などに通う
看護師の仕事はとても忙しいですが、簡単なものから少しずつ実践してみてくださいね。
ボディメカニクスを意識する
勤務中の腰痛対策としては、ボディメカニクスを活用することが重要です。
体位変換や移乗の介助などは腕の力だけで行わず、体全体を使うようにしましょう。
1人で無理をせず、状況によっては応援を呼ぶことも自分や患者さんを守るために必要なことです。
かがむときには腰を曲げるのではなく膝を曲げて重心を低くしたり、ベッドサイドでケアを行う際にはベッドの高さを調節することも腰痛予防につながります。
忙しいと手間に感じてしまうかもしれませんが、ぜひ意識的にやってみてください。
簡単なストレッチを取り入れる
勤務中はなかなか難しいと思いますが、余裕があれば休憩時間などに簡単なストレッチを行うといいでしょう。
猫背にならないよう骨盤を意識したり、足の付け根を伸ばすといった簡単な動作から取り入れてみるのがおすすめです。
日常のちょっとした隙間時間に続けていくことで、徐々に習慣化されていくかもしれませんね。
また、血流が悪いことも腰痛を引き起こす要因となり得るので、同じ姿勢を取り続けないことも大切です。
しっかりと休息を取る
疲れやストレスなども腰痛の原因となる場合があると先ほどお伝えしました。
忙しくてろくに休息も取れていないという状態では、疲れは取れませんよね。
帰宅後や休日などはしっかり身体を休めるようにしましょう。
入浴をすることで血行をよくしたり、深呼吸をするだけでも筋肉の緊張がほぐれて全身のリラックスにつながります。
整骨院などに通う
整骨院や整体など、色々と試してみて自分に合いそうな施術であれば定期的に通ってもいいでしょう。
マッサージにはリラックス効果があり、精神的なストレスの緩和にもつながることも。
ただし、痛みが強く日常生活に支障をきたしていたり、しびれなどの症状が出現している場合には、椎間板ヘルニアなどの可能性も考えられます。
無理をせずに整形外科を受診するようにしましょう。
腰痛に悩む看護師におすすめの職場
看護師の腰痛の原因と対策を紹介しましたが、これらを実践しても改善しない場合にはどうしたらいいのでしょうか。
夜勤を減らしてもらったり、自立している患者さんの担当にしてもらったりということは、一時的であれば可能かもしれません。
しかし、腰痛が出現するたびにこのような対応をしていくことはなかなか難しいですよね。
腰痛とうまく付き合っていければいいですが、状況によっては職場や働き方を変更せざるを得ないケースもあるでしょう。
腰痛に悩む看護師におすすめの職場としては、次の4つが挙げられます。
- 眼科、耳鼻科、皮膚科などのクリニック
- 健診センター
- デイサービス
- 一般企業
どのような特徴があるのか、それぞれ見ていきましょう。
眼科、耳鼻科、皮膚科などのクリニック
眼科や耳鼻科、皮膚科などのクリニックは腰痛持ちの看護師におすすめです。
基本的に自立した患者さんが来院するため、腰に負担のかかる業務は少ないでしょう。
ただし、眼科でも手術を行っている施設は要注意です。
手術の介助に入ると立ちっぱなしになるので、転職を検討する際には事前に確認しましょう。
健診センター
健診センターも、腰痛に悩む看護師におすすめの職場です。
健康な人が健康診断を受ける場所なので、ADLが自立している人が来院します。
看護師は、身体測定や採血などの業務を主に行います。
ケアや介助をするといったことは基本的にないので、腰への負担も少ないでしょう。
デイサービス
デイサービスは「通所介護」のことで、要支援や要介護の認定を受けている高齢者が日帰りで自宅から通うサービスです。
看護師の主な業務としては、バイタルサイン測定、入浴後の処置(軟膏の塗布や湿布薬の貼付など)、血糖測定、内服管理、リハビリやレクレーション時の見守りなどが挙げられます。
デイサービスは一般的な高齢者施設に比べて自立度の高い人が多く、腰に負担のかかる動作は少ない傾向にあると言えます。
しかし、施設によって状況は異なりますので、あらかじめ確認しておく必要があるでしょう。
一般企業
看護師が腰痛とうまく付き合っていくには、一般企業で働くことも選択肢のひとつです。
一般企業とは具体的に、産業看護師や医療IT、製薬業界、治験業界などがあります。
デスクワークが中心で、患者さんのケアや介助といった腰に負担のかかる業務はなく、生活リズムも整いやすいことが特徴です。
近年、医療従事者の知識や経験を求めている企業も増えてきていますので、検討してみてもいいでしょう。
まとめ
看護師の腰痛の主な原因と対策、おすすめの職場を紹介しました。
腰痛の程度は人それぞれですし、取り巻く環境も様々です。
中には、「腰痛があっても看護師としてバリバリ働きたい!」という方もいるでしょう。
まずは自分の腰痛の原因を明らかにし、日々の生活や業務の中で取り入れられる簡単な対策から始めてみてはいかがでしょうか。
もし今後の働き方に悩むことがあれば、いつでもリジキャリにご相談ください。
腰痛とうまく付き合いながら、より良いキャリアを築いていってくださいね。