「理学療法士の給料は安い?」
「理学療法士の収入は上がらない?」
このような悩みを抱えている理学療法士を解決できる記事です!
この記事を読むと、以下のような点が理解できます!
- 理学療法士の平均収入
- 理学療法士の収入を上げる方法
理学療法士として仕事をしている、あるいはこれから就職をする人はぜひ最後まで読んでみてください。
実際の給料を把握したうえで、どんな方法で収入を上げるべきかがわかりますよ!
理学療法士の給料は安い?
結論から述べると、理学療法士の給料は日本全体と比較すると安い傾向にあります。
令和2年の厚生労働省の統計では、理学療法士の平均年収は約420万円とされています。
この賞与や手当も含んだ金額を月収に換算すると、約35万円という計算です。
一方、給与所得者全体の平均年収は、令和2年の時点で433万円といわれています。
このことから、理学療法士は平均年収が低い仕事であることがわかります。
出典)厚生労働省『令和2年 賃金構造基本統計調査(職種)第1表 職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)』(e-Stat)
理学療法士の給料が安い原因
理学療法士は他の医療職と比較しても、給料が安い傾向にあります。
ではなぜ給料が安いのか、その原因について説明します。
理学療法士の数が多い
1つ目の原因として、理学療法士の数が増えたことがあげられます。
日本理学療法士協会によると、国家試験の合格者が平成6年では約1,000人に対して、平成25年ではその10倍の約1万人が合格しています。
高齢化社会である今、理学療法士の需要はたしかに高いです。
しかし、このまま人数が増え続けると需要と供給のバランスが崩れ、やがて飽和するとともに給料も安くなってくると考えられます。
就職の競争率も高くなるため、より専門的なスキルの確保も必要になるでしょう。
このように理学療法士の数が増えることで、給料だけでなく就職にも悪影響が出ています。
出典)統計情報|協会の取り組み
単位数の関係で報酬が上がりにくい
理学療法士は1単位20分という決まりがあり、1日24単位・1週間108単位という上限が定められています。
この単位は理学療法士の報酬に直結するものであり、稼げる額にも上限があることを意味します。
そのため1年目の新人でも10年目以上のベテランでも診療報酬は変わらないので、経験年数があっても給料が上がりにくいです。
この単位はリハビリ職特有の制度でもあり、訪問看護を除けば他の医師や看護師に上限はありません。
医療職のなかでも理学療法士がやすい原因は、制度自体の問題も関わっているのです。
昇給額が低い
診療報酬の問題にも関係していますが、昇給額が低いこともあげられます。
とくに役職に就かない限りは、新人とベテランの給料にほとんど変わりはありません。
1年勤務を続けたとしても、昇給額はたったの1000円だった…なんてことも。
新人としては初任給の時点でそれなりの給料をもらえるので、最初の時期はいいかもしれません。
しかし経験年数を経るごとにその恩恵がなくなるため、他の職業と差がつきやすくなります。
理学療法士として昇給額を増やすためには、なにかしらの役職につく必要があるでしょう。
スキルの向上が給料に反映しにくい
理学療法士の給料は制度が絡んでくるため、たとえ専門的なスキルが向上しても影響はほとんどないです。
スキルを高めることで仕事のパフォーマンスやチーム内評価の向上に貢献できるかもしれませんが、給料に直結するわけではありません。
そのためどんなに勉強しても、給料には反映されにくいです。
勉強会や研修は決して安くないですし、休日も削られるので、今度の給料アップ目当てで参加することはおすすめできません。
なかには認定理学療法士を取得していると手当がつく職場があるので、求人情報はよく確認しておきましょう。
理学療法士として給料が安い状態が続くと?
理学療法士として給料が安いまま仕事を続けると、さまざまな影響が現れます。
ここでは具体的な内容について説明します。
理学療法士としての向上心が低くなる
まず考えられるのは、理学療法士としての向上心が低くなる点です。
理学療法士は患者さんのためにスキルを伸ばしたとしても、給料に影響するわけではありません。
そのため「がんばっても報われない」と感じてしまい、仕事に対してのモチベーションが下がります。
もちろん患者さんのために勉強をすることは大切です。
自分が身につけたスキルで患者さんをよくできたら、やりがいにもつながるでしょう。
しかし、わたしたちが生活をするために必要な給料も同じくらい重要です。
向上心が低くなると仕事だけでなくプライベートにも影響が出る可能性もあり、悪循環となる危険性があります。
解雇される可能性も出てくる
給料が低いことでスキルの向上を怠ると、解雇される可能性も出てきます。
理学療法士は制度の関係上、新人もベテランも報酬に変わりはありません。
会社としてはスキルに差がなければ、新人より多く支払っているベテランを雇用するメリットがないのです。
理学療法士が飽和してくる今、向上心のないまま業務を続けるのは危険かもしれません。
理学療法士の給料安い人が行うべき対策
給料が安いまま仕事を行うと、経済面・精神面への負担が強くなります。
ここでは理学療法士が行うべき対策について説明します。
副業をする
本業での昇給がむずかしい場合、副業で収入を増やす方法がおすすめです。
最近では本業以外にも、副業で収入を増やしている人が多くなりました。
理学療法士におすすめの副業は以下のとおりです。
- Webライター
- ブログ
- セミナー講師
- パーソナルトレーナー
- 動画制作
仕事終わりや休日の時間にコツコツ副業に取り組めば、年収アップが期待できます。
ただし副業を行うには自分の時間を削る必要があるため、家族がいるときは優先順位をよく考えるようにしましょう。
また職場によっては副業が禁止されている場所もあるので、就業規則をよく確認しておきましょう。
開業をする
開業をすれば収入を増やせる可能性があります。
制度の関係上、理学療法士には開業の権利はありませんが、医療行為であるリハビリを行わないのであれば開業が可能です。
なかには整体院で開業したり、デイサービスを運営したりする理学療法士は増えています。
しかし開業は金銭的なリスクも高く経営に関しての知識が必須なので、事前準備は念入りにしておいた方がいいでしょう。
うまく成功すれば、理学療法士のときよりも高い収入が見込めます。
管理職に就く
理学療法士の仕事で収入を上げたい人は、管理職を目指すのも1つの手段です。
科長や主任などの役職に就くと、その分の手当で給料が上がる可能性が高いです。
しかし管理職はすぐに就けるものではないので、それなりの成果や経験を積む必要があります。
ベテランならともかく、若手は少なくとも10年以上はかかると思った方がいいでしょう。
転職活動をする
今の職場よりも給料が高いところに転職する方法もあります。
理学療法士は同じ職場で年数を重ねても昇給額は期待できないので、条件のいい場所に転職すれば給料問題が解決するケースが多いです。
また理学療法士ではなく、一般職に転職するのもおすすめです。
一般企業では理学療法士の知識や経験を求めている場所もあり、好条件を提示してくれる可能性もあるでしょう。
現場とはちがった方向で人の役に立てるので、一度新しい分野にチャレンジするのも悪くありません。
ぜひ理学療法士としての視野を広げて、一般企業への転職も検討してみてください。