「訪問リハビリの仕事が大変…」
「訪問リハビリがきつくてすぐに疲れてしまう…」
このような悩みを抱えている理学療法士を解決できる記事です。
この記事を読むと、以下のような点がわかります。
- 訪問リハビリがきつい理由
- 訪問リハビリがきついときの対処法
理学療法士として訪問リハビリの仕事に悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
きついと感じる理由が明確となり、どのように対策をすべきかがわかりますよ。
訪問リハビリはきつい?
結論から述べると、訪問リハビリがきついと感じる場面は多くみられます。
訪問リハビリは医師の指示にしたがって利用者さんの自宅に向かい、そこでリハビリを行う仕事です。
内勤がほとんどの病院・施設勤務とは異なり、外で仕事を行うのが訪問リハビリの特徴です。
その特徴からか、病院・施設勤務とは違った悩みやきつさが生じます。
訪問リハビリがきつい理由
なぜ訪問リハビリはきついといわれているのでしょうか。
ここではその理由について説明します。
仕事量が多い
訪問リハビリでは仕事量が多く、1日中バタバタしていることがあります。
1日に複数の利用者さんの自宅まで移動してリハビリを行うため、スケジュールがパンパンになりがちです。
リハビリの件数だけをみるなら、医療施設や老健などの方が多い傾向にあります。
しかし、訪問リハビリは長距離の移動時間がある点を考えると、ハードと感じる方も多いのではないでしょうか。
移動が大変
訪問リハビリがきついと感じる理由の1つには、移動が大変な点があげられます。
訪問リハビリでは利用者さんの自宅に向かうために、自転車や車などを使って移動します。
基本的にステーションから一定の範囲内の宅に訪問しますが、場合によっては片道30分以上かかるケースもあるでしょう。
また1日に何件も自宅を訪問するため、トータルで数十キロを移動することもあります。
長距離の移動は車ならラクですが、自転車となると身体的な負担も大きく、仕事が終わったらヘトヘトになることも。
訪問リハビリは、移動時間が積み重なるたびに大変さが増します。
時間の調節がむずかしい
訪問リハビリの移動は外の環境に左右されやすいので、時間の調節がむずかしいです。
信号の待ち時間や交通整備によって移動時間が変動するので、訪問先の距離が遠いほどその影響は大きくなります。
到着時間がズレるとその後の予定も乱れてしまうため、移動時でもプレッシャーがかかります。
また天気が雨や雪の場合は、普段どおりの時間に到着できない可能性が高くなるでしょう。
これらの不測の事態に備えながら移動時間を考えるのが、きついと感じてしまいます。
カルテを記入する時間がないことも
基本的にリハビリ以外は移動時間にあてることが多いので、業務中にカルテを記入する暇がありません。
ステーションによってはリハビリ後にカルテを記入する時間を設けている場合もありますが、すべてがそのスタイルというわけではありません。
業務時間内に余裕がないとステーションに戻ってからまとめてカルテを記入するしかないので、残業してしまうことも。
リハビリ介入してから時間が経過していることもあり、内容の詳細について忘れてしまうケースも少なくありません。
思うようなリハビリができない
訪問リハビリは利用者さんの自宅に訪問する関係上、思うようなリハビリができないケースが多いです。
病院やクリニックとは異なり、利用者さんの自宅にはリハビリに必要な道具や設備は基本的にありません。
使用できたとしても、イスやベッドあたりでしょう。
実施するリハビリのバリエーションが限られるので「こんなリハビリしたいけど、できない…」と悩むことも。
とくに設備が整っている病院・クリニックから訪問リハビリに転職する方は、そのギャップに困惑するケースは多いのではないでしょうか。
自宅環境でどのようにリハビリを行うかを考える楽しさもありますが、きつい要因の1つであることに変わりはありません。
たくさんのコミュニケーションをとる必要がある
訪問リハビリは利用者さんや家族だけでなく、ケアマネージャー、事業所のスタッフなどとコミュニケーションをとる必要があります。
とくに利用者さん・家族とは信頼関係を作るためにも、より慎重に関わらなければいけません。
病院の場合は患者さんが入院する関係上、多少のトラブルがあったとしても別の医療機関に乗り換えることはまずありません。
しかし、訪問リハビリでトラブルが起きた場合、利用者さんが契約を打ち切って別の事業所に乗り換える可能性があります。
利用者さんに訪問リハビリのサービスを継続してもらうためにも、柔軟な対応ができるスキルが重要です。
このように、コミュニケーションによる気苦労を持ちやすいのも訪問リハビリのきつい点です。
夏場と冬場が大変
訪問リハビリは季節に大きく影響されやすく、夏場・冬場の移動やリハビリは身体的に大変です。
とくに夏場は利用者さんの自宅に着くころには汗だくになっていることも多いため、制服の替えやタオル、汗拭きシートは必須です。
利用者さんの自宅によってはエアコンを使用しないケースもあるので、暑い(寒い)環境でリハビリを行うことも。
季節にあわせて服装や道具を工夫しないといけない点が、きついと感じる方もいるでしょう。
緊急時は1人で対処する必要がある
訪問リハビリは基本的に1人で行動するので、リハビリ中に利用者さんの体調が急変したときは自力で対処しなくてはいけません。
もちろん管理者に電話で報告・相談をして指示をあおぎますが、現場にいるのは自分だけです。
場合によっては、一刻も争うような危険な事態に遭遇することもあるでしょう。
そのため訪問リハビリは、近くにスタッフがいる病院・クリニックよりもプレッシャーが大きいといえます。
リアルタイムで誰かに相談することがむずかしく、自分で判断する機会が多い分、きついと感じる方は多いのではないでしょうか。
花粉や動物などのアレルギー持ちにはきつい
花粉や動物などのアレルギーを持っている方にとっては、訪問リハビリはきついと感じやすいでしょう。
外での業務がほとんどなので、病院をはじめとした室内よりも花粉の影響を強く受けます。
利用者さんの自宅内でも、風通しの良い室内だと花粉が入ってくることも。
また、花粉だけでなく猫や犬などの動物アレルギーを持っている方も注意が必要です。
利用者さんによっては室内で猫や犬を飼っていることもあるので、アレルギー持ちの方にとってはさらに辛くなります。
月末の仕事量が多い
訪問リハビリでは毎日の仕事も大変ですが、月末になると多くの書類業務を行います。
訪問看護では毎月の利用者さんの状態やリハビリの経過を書類にまとめて、医師やケアマネへの報告が必要です。
書類の種類は複数あり、それらを各利用者さんごとに作成するため、人数が多いほど書類業務が忙しくなるでしょう。
とくにはじめて利用する方は書類に情報を1から入力しなければいけないので、作成に時間がかかります。
訪問リハビリがきついときの対処法
訪問リハビリがきついと感じたときは、その問題の解決方法を考える必要があります。
ここでは訪問リハビリを楽しく行うために、きついと感じたときの対処法について説明します。
上司に相談してみる
訪問リハビリがきついと思ったら、まずは上司や先輩に相談してみましょう。
経験豊富な上司たちは過去に同じきつさを体験し、その解決策を持っている可能性があります。
自分の悩みに対するアドバイスを聞くことで、新しい考え方や対策を発見できるかもしれません。
誰にも相談しないままきつい状態が続くと精神的にも大きな負担となって、仕事がさらにつまらなく感じてしまいます。
上司でなくてもかまわないので、まずは信頼できる人に相談してみましょう。
改善できる業務内容を探してみる
業務内容を改善すれば、訪問リハビリのきつさが軽減するケースもあります。
リハビリではなく、書類業務できつさを感じている場合はとくに有効です。
たとえば、定期的に作成する書類業務で忙しい場合、あらかじめ記載する文章の構成を固めておけば時間短縮が可能です。
さらに、仕事の合間に生まれるスキマ時間をうまく活用することで、残業時間を減らせます。
その日に行う業務を洗い出し、改善できる部分がないかを確認してみましょう。
別の部署に異動する
いろいろと対処をしたうえで、それでも訪問リハビリがあわないと感じたら別の部署に異動するのもおすすめです。
訪問リハビリに限らず、どんな人でも仕事の向き・不向きはあるでしょう。
病院や介護老人保健施設で訪問リハビリのサービスを行っている場合、別の部署に異動するのは十分に可能です。
異動によって仕事内容や人間関係が変化するので、最初は大変かもしれません。
しかし、徐々に慣れてきたら新しい環境の方が自分にマッチしていた、なんてことも多いです。
ストレス発散方法を持っておく
溜まったストレスを発散できる方法を持っておくといいでしょう。
これは訪問リハビリで働いているセラピストに関わらず、すべての方に当てはまるストレス対策です。
ストレスをいつまでも溜め込んでいると、やがて心身にも悪影響をおよぼす恐れがあります。
そのため趣味に打ち込んだり、運動をしたりなど、気持ちがすっきりできるような方法を持っておくことは大切です。
転職をする
仕事の相談や工夫をしてもうまくいかず、異動もむずかしい場合、思い切って転職することも1つの手段です。
理学療法士の人口は年々増加していますが、それでもすぐに転職先に困ることはないでしょう。
自分がどんなリハビリをしたいのかをよく考えたうえで、転職先を探してみましょう。
また臨床現場だけでなく、一般企業に転職することもおすすめです。
理学療法士としての知識を必要としている一般企業も多いので、臨床とはちがった方向で人の役に立てるでしょう。
ぜひ企業で働くことも視野に入れつつ、転職先を検討してみてください。