訪問リハビリのやりがい8つとつらいところを紹介します!

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訪問リハビリのやりがいって何がある?

つらいところもあれば知りたい

このような悩みをお持ちの理学療法士に役立つ記事を書きました。

訪問リハビリにはさまざまなやりがいがある一方で、つらいと感じる部分もあります。訪問リハビリ特有のやりがいとつらさを知っておくと、転職後の業務もスムーズにすすむことでしょう。

そこで本記事では、以下の点について解説します。

  • 訪問リハビリの仕事内容
  • 訪問リハビリのやりがい8つ
  • 訪問リハビリのつらいところ3つ

訪問リハビリへの転職を考えている理学療法士の方、ぜひ最後までお読みいただけると幸いです。

目次

訪問リハビリの仕事内容

訪問リハビリは、利用者さんの住まいに訪問してリハビリをするサービスです

訪問リハビリには以下のような目的があります。

  • 心身機能の維持・向上
  • 自立した日常生活の獲得や社会参加の促進
  • 利用者さんやご家族の心理的サポート

仕事の内容は以下のとおりです。

  • 機能訓練
  • 基本動作・日常生活動作訓練
  • 環境調整やアドバイス
  • ご家族への介助指導
  • 他サービス事業所との連携

医療機関や施設でのリハビリと比較し、住んでいる環境や同居するご家族との関係により着目した関わりが重要な仕事です。

さまざまな社会資源を活用し、「どうすればよりよい生活が送れるか」という視点で支援します。

悩み、考えることが多い仕事ですが、やりがいをもって働ける分野でもあります。

訪問リハビリのやりがい8つ

訪問リハビリのやりがいは以下の8つです

  1. 生活機能を改善できる
  2. ご家族の介護負担を軽くできる
  3. 他職種との連携によりスキルアップできる
  4. 退院後の生活を見れる
  5. 利用者さんの最期に関われる
  6. 難病のリハビリから多くのことを学べる
  7. 給料がいい
  8. 外に出て気分転換できる

それぞれ解説します。

生活機能を改善できる

訪問リハビリのやりがい一つめは、利用者さんの生活機能を改善できる点にあります。

在宅の利用者さんは、病気を発症してから数年が経過している方が少なくありません。経過が長いと、発症から数十年という方もいます。

急性期や回復期のリハビリと比較すると、身体機能改善に向けた運動のみでは課題が解決できない場合がしばしばあります。

たとえば「トイレに1人で行けるようになりたい」と希望される方に対して、下肢の筋力を向上させる運動ばかり行っていても、自立するのは難しいかもしれません。

そのため、利用者さん以外への介入も重要です。

具体的には以下のようなものがあります。

  • 手すりの設置や段差の解消など環境を調整する
  • ご家族へ介助指導する
  • 一日に何度もトイレに行く

介入の対象が多く常に試行錯誤が求められますが、工夫をこらして利用者さんの生活機能が改善できた時は、大きなやりがいを感じるでしょう。

ご家族の介護負担を軽くできる

二つめはご家族の介護負担を軽くできる点です

ADL動作は、基本的な動作をさまざまに組み合わせ一日に何度も行うものですから、介護が必要な場合ご家族の苦労は大きいといえます。

排せつを例にあげましょう。

  1. トイレまで移動する
  2. ズボンをおろす
  3. 用をたす
  4. 清拭する
  5. 立ち上がる
  6. ズボンを上げる
  7. 手を洗う
  8. 移動する

上記のように、トイレで用をたすためには想像以上に多くのことをしなければなりません。

訪問リハビリで上記動作の一つでも課題を解決できれば、ご家族が介護していた部分から手が離れ、「介護が楽になった」「自分でできることが増えてうれしい」と感謝されることがあります。

利用者さんの自立度が向上するたびに温かいことばをいただき、モチベーションがあがるとともに大きなやりがいを感じます。

他職種との連携によりスキルアップできる

三つめは、他職種との連携によりスキルアップできる点です

在宅生活では、さまざまなサービス事業者と契約している方は少なくありません。

そのため、訪問リハビリでは訪問介護・訪問看護・福祉用具専門相談員・主治医など、多くの方と連携できる機会があります。

連携によってお互いの専門性を知り、強みを活かしあった支援ができるようになると、スキルアップにつながり大きなやりがいを見出せるでしょう。

退院後の生活を見れる

四つめは、退院後の生活を見れる点です

医療機関に勤務している方は、患者さんの退院後に在宅での生活を見ることはなかなかできません。

在宅を見据えてリハビリをしてきたつもりでも、家に帰ったあとは想定外の事態が起き、理想どおりの生活が送れていないことが多々あります。

中には、必死に歩く練習をして家に帰れるようになったのに、すぐに車椅子が必要になってしまう方もいます。

在宅生活では、環境要因や個人の考え方・価値観などによって、医療機関でできていたことが必ずしも家でできるとは限らないのです。

訪問リハビリに従事しているとこのような現実問題と向き合うことになるため、広い視野で利用者さんの生活をとらえる必要があります。

「どうすれば理想とする暮らしができるのだろう?」とあらゆる可能性を考え、悩み抜くプロセスにやりがいを感じる方もいるでしょう。

利用者さんの最期に関われる

五つめは、利用者さんの最期に関われるという点です

訪問リハビリの利用は長期化し、数年訪問することもあります。

長い経過の中で機能は少しずつおとろえ、けがや病気に見舞われることもあるでしょう。

最期を自宅で看取る場合、終末期のリハビリで関わらせていただくことがあります。

その際、利用者さんがどのような最期を迎えたいのかを深く考えます。「その人らしい生活とは何か?」「訪問リハビリで何ができるのか」といった自問自答をするのです。

楽な仕事ではありません。

しかし、わずかでも意味のある関わりができた時にやりがいを感じる方もいるのです。

難病のリハビリから多くのことを学べる

六つめは、難病のリハビリから多くのことを学べるという点です

訪問リハビリに携わると、難病の方を担当することがあります。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)や筋ジストロフィーといった進行性の疾患を担当させていただけるのは、たいへん貴重なことです。

上記疾患の方は全身の筋肉がおとろえ、進行すれば体のごく一部しか動かせなくなってしまいます。

しかし残っているわずかな機能を駆使したり、意思伝達装置を導入したりすることで、コミュニケーションが可能になります。

センサーやスイッチを細部まで調整し、眼球や額のシワの動きだけでコミュニケーションがとれた時の喜びはひとしおです。

難病のリハビリにより多くのことを学べると、訪問リハビリに大きなやりがいを感じられるでしょう。

給料がいい

七つめは、給料がいいという点です

訪問リハビリはインセンティブ制度を採用している職場があり、訪問件数が一定数を超えると件数に応じて手当がつきます。

たとえば以下のような仕組みです。

  • 月の訪問件数が80件を超えた場合:1件につき4,000円の手当
  • 月に100件訪問した場合:4,000円×20件=80,000円の手当

厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査によると、理学療法士の年収は約430万円であることがわかります。

一方で訪問リハビリのインセンティブ手当があれば、年間100万円近く収入が増え、年収で500万円を超えることは難しくありません。頑張れば、年収600万円を超えることもあるでしょう。

通常の勤務先ではどんなに頑張っても給料は上がりにくいのですが、訪問リハビリは頑張った分給料が増えることがあるため、給料の良さにやりがいを感じる方もいます。

外に出て気分転換できる

八つめは、外出によって気分転換できる点です

訪問リハビリでは次々と訪問先へ移動するため、医療機関や施設と異なり一日拘束されるストレスがありません。

季節の移り変わりや風景を楽しみながら仕事できるため、外出が好きな方にとっては大きな気分転換になるでしょう。

また、はじめは知らない土地で家を覚えるだけでも苦労していたのに、土地勘がわかってくると道を変えて移動できるようになります。

単なる移動においても色々な発見ができるようになり、楽しみややりがいをもてることもあるでしょう。

訪問リハビリのつらいところ3つ

訪問リハビリにはやりがいがある一方で、以下の3つに示したようにつらいところもあります

  1. 移動や気候に苦労する
  2. ひとりで問題に対処しないといけない
  3. 訪問リハビリを終了できない

それぞれ解説します。

移動や気候に苦労する

一つめは、移動や気候に苦労するという点です

地域によりますが、訪問リハビリは自転車で移動する場合があります。

一日に4~6件訪問すると、移動距離は数十キロに達することも。

単に移動距離が多いだけならいずれ慣れます。

しかし訪問リハビリは、暑い日も寒い日も、大雨でも雪でも利用者さん宅に向かわねばなりません。

大変な気候の中、一日数十キロ自転車で移動するのはとてもつらいでしょう。

また、訪問に車を使う場合、運転が不慣れな人には大変な思いをすることもあります。

入り組んだ道や細い道に迷い込んでしまうと、安易に引き返すこともできなくなり、利用者さんのお宅にたどり着けないかもしれない不安に駆られることもあるでしょう。

カーナビ搭載の訪問車両を使っていても、時には正確に案内してもらえないことがあり、訪問予定の時間が迫ってくると嫌な汗をかいてしまいます。

ひとりで問題に対処しないといけない

二つめは、ひとりで問題に対処しなければいけないという点です

訪問はひとりで行います。

利用者さんは、困りごとがあれば訪問した理学療法士を頼ることが多いため、対処できる能力が求められます。

緊急を要する内容でなければ、事業所へ持ちかえって後日の対応でもよいでしょう。

しかし訪問時に体調が悪かったり、けがをしてしまっていたり、心肺停止の状態に出くわしたりすることもまれにあります。

一刻を争う場面でも、ひとりで適切かつ迅速に対処しなければならないため、大変なプレッシャーとなりつらいと感じる方もいます。

訪問リハビリを終了できない

三つめは、利用者さんが訪問リハビリへ依存し終了できない場合があるという点です

訪問リハビリは課題が解決されれば、終了を視野に入れる必要があります。

しかし、利用者さんの中には訪問リハビリを受けることそのものが目的となってしまう方もいます。

その場合、利用者さんの生活は訪問リハビリありきとなっているため、課題は解決されているにもかかわらず長期漫然とリハビリが続いてしまうのです。

あの手この手で終了にしようと説得していると、場合によってはクレームにつながることも。

中には担当のケアマネジャーも計画変更を嫌い、より終了しづらく対応に苦労するでしょう。

訪問リハビリにはたくさんのやりがいがある

本記事では、訪問リハビリのやりがいとつらい部分について紹介しました

医療機関や施設ではできない貴重な経験や、頑張りに応じた給与体系などは魅力的であり、大きなやりがいになります。

心身を酷使してつらいと感じることもありますが、事前に知っておくとスムーズに働きはじめられるでしょう。

本記事を読んで訪問リハビリへの転職に興味をもった方は、リジキャリの無料相談をご活用ください。

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この記事を書いた人

理学療法士として勤務するかたわら、ライター業を行っている。数々の副業で成果が出ない中、ライター業に出会う。文章を通して人の行動を促す仕事にやりがいを感じ、日々執筆している。リジキャリでは、理学療法士が抱える「将来への不安」を払拭できるよう、キャリア支援や多様な働き方について発信する。

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