「退職したいけど、してもいいのかな」
「退職、転職が不安。失敗したくない」
このような悩みをお持ちの理学療法士に役立つ記事を書きました。
退職を考えていても今の職場を辞めていいものか、そして転職活動がうまくいくのか不安ですよね。
そこで本記事では、以下の点について解説します。
- 理学療法士が不安なく転職する6つの方法について
- 転職時の注意点について
転職に不安を感じている理学療法士の方、ぜひ最後までお読みいただけると幸いです。
転職(退職)をする理学療法士はどれくらい?
「今の職場を辞めるのは気がひける。」
と悩んでいるあなた、心配する必要はありません。
平成28年の医療従事者の需給に関する検討会(日本理学療法士協会)によると、理学療法士の離職率は以下の通りです。
- 医療関連:10.2%(10人に1人)
- 介護関連:18.8%(10人に2人近い)
同期が10人いて毎年誰かしらが辞めていくと考えれば、案外自然ではないでしょうか?
筆者は2度転職していますが、新卒時15人いた同期は1年目で1人辞め、2年目に2人辞めています(筆者含む)。
退職はうしろめたさを感じるかもしれませんが、新たな生活のスタートを切る絶好のチャンスととらえましょう。不安を感じる必要はありませんよ。
理学療法士が不安なく転職する6つの方法
それでは、不安なく転職を成功させる方法を以下で6つご紹介します。
転職の理由を決める
転職の理由はぜったい明確にしましょう。「どうして自分は転職を決めたのだろう」と自問自答してみてください。
なぜなら理由が明確でないと、面接時に適当な回答をしてしまうからです。
たとえば、転職する理由には以下のようなものがあるのではないでしょうか。
- 給料が少ない
- 残業が多い
- 人間関係に疲れた
- 仕事にやりがいを感じない
- 結婚や出産で生活が変わった
ほかにもさまざまな理由があると思います。
上記のように転職したい理由をことばにし、面接でしっかりと話せるようにしておきましょう。
計画的に転職活動する
転職活動は計画的にすることが大切です。
というのも、転職は「今の職場を辞める準備」と「新しい職場探し」のふたつを同時進行でしなければならないからです。
- 今の職場をいつ辞める?
- 引継ぎにはどれくらいかかる?
- 新しい職場はいつから働いてほしいと思っている?
- 退職後の生活資金は足りる?
など、考えることがたくさんあります。
トラブルなく同時進行するためには以下のようなプロセスが重要です。
- 新しい職場にいつ頃から働きたいかを決める
- 今の職場でいつまで働くかを決める
- 今の職場を退職するまでに必要なことをリストアップする
- リストアップしたタスクを期間を決めて実行する(引継ぎなど)
上記の順にやっていくとよいでしょう。
情報を集める
転職先の情報はできるだけ多く集めましょう。
というのも、情報をあまり集めずに適当に入社してしまうと、「こんなはずじゃなかった」というギャップに苦しむかもしれないからです。
元の職場より働きにくくなったら最悪です。
そのため、以下の情報は最低でも集めましょう。
- 給与:基本給と各種手当
- 賞与:基本給の何か月分か
- 残業の有無:残業代の有無も確認
- 福利厚生の内容:住宅・家族手当、特別休暇など
- 勉強できる分野:主な疾患や部署異動の有無
上記以外では会社の雰囲気や環境なども知っておきたいところです。これは実際に見学させてもらわないとわかりません。
見学のアポイントメントをとって、よく見せてもらいましょう。
見学はリハビリの部署だけでなく、他部署も見て回ってください。
人間関係の様子なども見られるからです。
情報をできるだけたくさん集めれば、転職後の働き方がイメージでき不安も解消されるはずです。
転職エージェントを利用する
転職エージェントの利用もご検討ください。
というのも転職エージェントは、「かゆいところに手が届く」ようなサポートをしてくれるからです。
「転職がうまくいくか不安」「失敗したくない」と思っている方の不安を解消してくれるでしょう。
具体的には以下の通りです。
- 円満に退職する方法を教えてくれる
- 求人を定期的に紹介してくれる
- 非公開の求人もある
- 人間関係や雰囲気を調べてくれる
- 履歴書の添削や面接対策をしてくれる
といった、ご自身のみでは対応できない部分のサポートをしてくれます。
「退職時期はまだ決めていない」「3ヵ月後〜半年後くらいには辞めたい」と予定が漠然としていても、その旨を伝えておけば時期に合わせて求人を紹介してくれますよ。
すでに候補が決まっていれば、内部の詳細な情報を調べてくれることもあります。
特に人間関係や部署の雰囲気などは、第三者的な意見を聞けるのでよい判断材料になるでしょう。
試験対策を万全にする
転職が不安なのは、試験対策がおろそかであることも考えられます。
そのため、試験対策を徹底して行いましょう。
ポイントは、転職先があなたを魅力的に感じてくれるかどうかです。「理想的な働きができるかも?」と思わせることが大切です。
特に面接対策には時間をかけ、さまざまな質問を想定しておきましょう。
「あなたの今までの経験が、転職先にどのように活かせるか」という視点で「なぜその職場を転職先に考えたのか?」をじっくりと考えてみてください。
部署異動をポジティブにとらえる
転職先の条件に部署異動がないことを考える人もいるでしょう。
しかし、あえて異動する職場を選んでみると以下のようなメリットもあります。
- さまざまな経験で知見が広がったり考え方が変わったりする
- 異なる分野の経験がやりたい分野に活かせる
部署異動でさまざまな経験をすると、広く知識を得られるため総合的な能力向上につながります。異動先で学んだことがきっかけで活躍したい分野が変わる可能性もあり、ご自身の適性を見直すきっかけにもなるでしょう。
筆者も医療機関で急性期リハをやりたいと思っていましたが、老健への異動をきっかけに地域リハビリに興味が変わりました。
また、当初やりたいと思っていた分野で働く場合でも、異なる分野の経験を活かせることもあります。
部署異動があることを理由に転職先が決められず不安になるくらいなら、異動のある職場に飛び込んでみるのもよいですよ。
転職時の注意点
以下で、できれば転職時にやらない方がよいことを3つご紹介します。
前職の経験が活かせないところに転職する
前職の経験があまり通用しないところへ転職するのはおすすめしません。
というのも、中途採用者は即戦力を求められるからです。
たとえば、高齢者の運動器疾患を中心に診てきた人が、まったく経験のない脳性まひのお子さんに関わろうとすると、分野が大きく異なるためかなり勉強が大変です。
発達や中枢神経疾患について理解を深めなければ、治療は難しいでしょう。
親御さんや発達コーディネーターなど、多くの方とのやりとりも必要になることがあります。
転職先は新卒者と同程度の教育コストをかけるつもりはないため、一からすべてを教わろうとすると、期待に沿えないと思われてしまいます。
よほどチャレンジしたいという気持ちがなければ、前職の経験が通用しない職場に勤めることは避けておく方が無難でしょう。
知り合いの紹介で安易に転職する
知り合いの紹介での転職もできればやめておきましょう。
「知り合いが思う働きやすい職場」と「あなたが思う働きやすい職場」は別物だからです。
- 知り合い:研究や学会発表の機会がたくさんあるとよい
- あなた:定時退社は当たり前。できるだけプライベートを充実させたい
と優先する条件が異なれば、入社後に「こんなはずじゃなかった」と後悔するでしょう。
上記の場合、知り合いの紹介で転職するとアフターファイブに大量のデータとにらめっこしているかもしれませんよ。
しかし、紹介してもらった手前すぐに辞めるわけにもいきません。辞めてしまうと紹介者との関係性にも問題が起こる可能性もあるからです。
そのため、知り合いに職場を紹介してもらう場合は、「どういう点がおすすめなのか」を具体的に聞いたうえで、必ず職場の見学もしておきましょう。
そして、じっくりと時間をかけて検討してみてください。
衝動的に退職する
衝動的に退職するのはおすすめできません。
なぜなら、衝動的に何かをする時というのは、柔軟に物事を考えられていないからです。
- 上司にキツく怒られた
- 同僚とトラブルになった
- 今の仕事がうまくいかない
上記のような出来事があると、ストレスから逃げ出したくなり、安易に退職を考えてしまうかもしれません。
しかし転職活動にはお金や時間がかかります。勢いで退職してしまい、当面の生活も成り立たないとなれば大変です。
退職を決意しても一度立ち止まり、計画的に転職活動のスケジュールを考えてみましょう。
まとめ
本記事では、理学療法士が不安なく転職する6つの方法を紹介しました。
「なぜ転職したいのか?」「どんなスケジュールで動いていくか?」をよく考え、ご自身とじっくり向き合ってみてください。
理学療法士ではなく、別の業種として転職するという選択肢もあるかもしれません。
リジキャリでは一般企業へ転職したい医療職への相談を行っています。
理学療法士からのキャリアチェンジを検討されている方は、ぜひご活用ください。