臨床検査技師は、勤務する施設や形態によって担当する業務が大きく変わってくるため、ライフスタイルによって職場を選びやすい職業といえます。
「どのような理由で転職しよう?」
「面接時に前職の転職理由をどう伝えよう?」
など、いざ転職となると悩んでしまう人は多いのではないでしょうか?
今回は、臨床検査技師で転職している人は基本的にどのような理由で転職を決め、面接時はどのように転職理由を伝えることが多いのかを紹介していきます。
もし転職を本格的に考え始めようとしているなら、ぜひこの記事を参考にしていただけると幸いです。
臨床検査技師の主な転職理由
臨床検査技師が転職を考えるとき、実際どのような理由であることが多いのでしょうか?
今回は、よく理由として考えられるものを7つ紹介します。
それぞれ見ていきましょう。
残業が多く休みが取りづらい、夜勤・当直が大変
臨床検査技師の勤務先の多くは、総合病院や大学病院です。仕事量が多く残業時間も長くなりがちで、夜勤や当直もあるため負担が大きくなります。病院によっては緊急対応を行なったり、人員不足などが原因で夜勤・当直の回数が増えることがあり、さらに負担が増えてしまうこともあります。
また、クリニックや健診センターの場合はシフト制になっていることが多く、常に少し人手不足の状態で回しているため、周りのことを考えると休みが取りにくいということが多いです。
給料に不満がある
臨床検査技師は昇給額が低めであることが多く、自分の努力だけで給料を上げることが難しい仕事であるため、給料に不満を感じてしまうことがあります。
夜勤後が多い職業を選んだり、企業絵の就職を選んだ場合、給料アップの可能性が高まります。
女性の場合はエコーができると、健診業界でお腹・乳房のエコー経験がある女性が不足しているため、転職によって給料アップが図れる可能性が高いです。
マルチタスクを要求され、忙しすぎる
臨床検査技師は、さまざまな業務を同時にこなす必要な場面が多くあります。全体の検査の進み具合を見ながら次に何を行うべきか予測したり、データをチェックしながら電話したり、至急の検査を同時進行で行わなければいけなかったりなどです。
さらに、中小病院の場合は検体検査も生理検査も行えるようにならなければならないため、さらにマルチタスクが求められます。大病院の場合もかなり忙しく働かなければならないため、心身ともに限界を迎えてしまうことがあります。
職場環境が合わない
医療系の仕事は、一般企業と違い人事異動が少なく狭い環境になりやすいため、噂が広まりやすいです。人間関係がうまくいかなかった場合は、本当に働きにくい環境になってしまいがちです。
また、職場の方針や体制に不満を感じたときも転職を考える人が多いようです。
エコーをやりたい・病理検査の仕事がしたい
エコーや病理検査など役に立つスキルを身につけるために転職を考える方が多いです。
特にエコー検査を身につけたい人は多く、エコー業務に就くことを目指して転職するケースや、エコー経験ができる施設であっても「もっと症例が積みたい」や「エコーできる領域を増やしたい」などエコー技術を向上させるために転職するケースがあります。
エコーは技量の差が現れやすい業務であるため、スキルが高い臨床検査技師は求められやすいです。また、エコーのできる領域が多いほど、給料アップに直結します。
病理検査の場合は、細胞検査士の資格を取りたいために細胞診の経験を積める施設に転職したいケースや細胞検査士の資格を活用するために転職するケースがあります。
細胞検査士資格認定試験を受けるとき、細胞検査士養成所や養成コースのある大学を卒業するか細胞診に1年以上携わることが条件となります。
子育てを優先で働ける職場に変えたい
子育てをしながら臨床検査技師として働く女性は多いです。
クリニックや健診センターは残業が少なく日勤のみの勤務が一般的なため、子育てのために転職しやすい職場であるといえます。ただ、臨床検査技師の人員配置によって、子供の急な用事や病気の際に休みが取りにくいことがあります。子供との時間を大事にしたい場合は、パートでの勤務も選択肢として出てきます。
自宅の近くで働きたい・実家に帰りたい
結婚や出産を機に実家に帰ったり、家庭を重視した働き方に変えていきたい人が転職を考えやすいです。
これらの場合は、エリアやタイミングによって臨床検査技師の募集がなく、求人が発生するのを待つ可能性が出てきます。
スムーズに転職するための注意点
ここではスムーズな転職をするための注意点を紹介していきます。
円満退職にする
スムーズに転職するためには「円満退職」にすることが大事になってきます。
臨床検査技師は人数がそこまで多くないため、非常に狭い世界です。ネガティブな理由は言わないようにしましょう。
転職を決めて上司に報告したとしても、「もう少しここで頑張れないか」「急に辞められては困る」などと引き留められることがあります。引き止められたときに納得してもらえるような理由を準備しておきましょう。
今の仕事を続けながら転職先を探す
臨床検査技師の募集はエコーができるとスムーズですが、基本的には他の医療職種と比べて募集が少ないためすぐにみつかるとは限りません。
また、次の転職先が決まっている場合の方が円満退職もしやすくなります。
面接時に転職理由を聞かれた時のアドバイス
本当の転職理由が「残業が多かったから」や「前職での人間関係が最悪だったから」などのネガティブなものでは、面接官に良い印象を与えることができません。
ここでは、面接時に転職理由を聞かれた時のコツをまとめていきます。
余計なことを言わない
ネガティブな転職理由の場合は特に注意するべき点であります。
細かく話せば話すほど、言い訳がましく聞こえてしまいます。
また、ネガティブな転職理由を聞いた場合に面接官が「この人は転職してきても同じような理由で辞めていってしまうかもしれない」と感じてしまう可能性が高まってしまいます。
人間関係や残業時間などの言葉は極力使わずに説明することをオススメします。
ポジティブな転職理由に転換する
実際はネガティブな退職理由だったものを、わざわざ全く違う理由を作ってまで考える必要はありません。面接官は何人もの応募者を面接しているため、嘘をつくとすぐにバレてしまいます。
「嫌だった」「辛かった」「不満だった」などのネガティブな理由を、「より良くしたいから」というポジティブな理由に置き換えるようにしましょう。それだけで「この子はやる気がある!」と相手に好印象を与えることができます。
人間関係が最悪だった場合は「もっとチームワークを重視した環境で働きたいから」としたり、給料に不満があった場合は「成果をしっかり認めてくれる環境で働きたいから」としたり、残業が多すぎた場合は「もっと自分の技術を向上させる時間を作れる環境で働きたいから」としたり、業務内容が退屈で技術がちっとも身に付かずに不満だった場合は「より幅広い業務を経験してスキルアップしたいから」としたりと、いくらでもポジティブに変換することができるので、自分なりにネガティブな理由をポジティブに変換してみましょう。
志望動機にも繋げやすい転職理由にする
転職理由から志望動機に繋げられると、面接官が受け入れやすくなります。
「この施設では自分の目的を叶えることができると思ったからこそ転職を決めた」というところにつながるような転職理由にしましょう。
施設ならでは特徴を捉え、そこに魅力を感じている・貢献できるから応募したということがアピールできると、「意欲的であり、長く働いてくれそう」とよい印象を与えることができ、採用される可能性が高まります。
早期退職の場合は特にアピールを意識する
早期退職はネガティブに感じられてしまい可能性が高いです。
そのため、面接官に「それなら仕方ない、うちでなら長く働いてくれそうだ」と思わせる必要があります。
キャリアチェンジの場合は説明がしやすいですが、環境が大きく変化しない転職の場合は熟考して決めたこと、長く働ける職場を探していることが伝わるようにアピールすることが大事です。取り繕った説明はせず、新しい施設でどのように活躍できるかをしっかりとアピールしましょう。
もし面接官から「我慢が足りなかったのではないか?」などネガティブなことを言われた場合、絶対に焦ることなく、言い訳などせずに「自分なりにできる限り努力した結果であり、同じことは繰り返したくない」という意思を伝えるようにしましょう。