転職活動において、履歴書とセットで提出を求められるのが職務経歴書です。
職務経歴書とは、仕事に関する経験内容やスキルをまとめた書類のこと。
ある程度フォーマットが決まっている履歴書とは違い、職務経歴書は自身の経歴に合わせてアピールポイントなどを書く必要があるため、どのように書けばいいのか悩む方も多いのではないでしょうか?
ここでは職務経歴書の書き方について、作成時のポイントや各項目の書き方について解説します。
職務経歴書の書くときの注意ポイント
忙しい採用担当者に、書類の第一印象で「会ってみたい」と感じてもらうためには、分かりやすく伝わりやすい内容に仕上げることがポイントです。
書き始める前準備
- 自身の経験からアピールできる強みを引き出し、棚卸しを行う
- 応募企業のHPなどから企業研究を行い、募集要項をしっかり理解する
- 募集要件に合致した内容になっているか、あらかじめ内容を整理しておく
第一印象を良くするコツ
- 見やすさ:見出しの使用などレイアウトを意識し、文量はA4で1−2枚程度にまとめる
- 読みやすさ:箇条書き、もしくは簡潔な文章を作成する
- キーワード:企業側が興味を持ちそうな経験、能力を意識し盛り込む
担当者が会いたくなるポイント
- 具体性:数字など具体的な内容を交えて伝える
- 丁寧さ:丁寧な仕上がりから誠実さや意欲が伝わり、好感度UPが見込める
職務経歴書で見られるポイント
- 応募企業の求める人材像と合致しているかどうかを意識する
- 具体的な業務内容や経験
- 成果や実績
- 業務経験に裏付けされた強み
「手書き」と「パソコン」どちらがいい?
- 職務経歴は文字量が多いため、簡単に修正できるパソコンでの作成が効率的
Point
手書き、パソコン共に、見やすいレイアウトで丁寧に準備されているかが重要です。
職務経歴書の書き方
職務要約
- 職歴を分かりやすく伝える「あらすじ」を考える
- 多数の書類を確認する採用担当者の目に留まるよう、3−4行程度(200−300文字前後)で簡潔にまとめる
Point
自分の仕事にキャッチフレーズをつけたらどうなるか、というイメージをしてみましょう。応募企業の募集内容にマッチングするかを考え、自身の強みを感じさせるような実績や活かせそうな経歴を意識してまとめましょう。
職務経歴
- 勤務先やそこでの業務内容、実績などを記載する
- 勤務先概要:事業内容、資本金、従業員数など会社の概要を正しく記載する
- 職務経歴:どのような業務を担当してきたか記載する
- 実績:具体的な数値を交えて、募集内容に合わせた内容を記載する
- 役職、役割:役職や役割を担ったことがある場合は記載する
Point
同じ企業で複数の部署を経験した場合は、部署ごとに業務内容をまとめて記載しましょう。実績や、成果を上げるために意識したことなどは具体的に記載することで、より効果的にPRへ繋げることができます。
工夫、PRポイント
- 実績、成果を上げるための工夫や業務において意識したことを簡潔にまとめる
資格、スキル
- 正式名称を記入する
(例:一般的な普通車の運転免許証→普通自動車第一種運転免許) - 業務と関連する資格、スキルを持っている場合は、必ず記載する
- 記載できるものがない場合は、「特になし」と記載する
Point
未取得の資格などでも、勉強中のものがあれば記載しておきましょう。
自身の努力や、積極性のアピールにつながります。
自己PR
- 自身の強みや問題解決への取り組みから、それらが具体的に業務にどのように生かせるかを記載する
- 箇条書きの場合は3つほど、文章の場合は5行以内を目安に見やすく整理する
職務経歴書のフォーマットについて
職務経歴書のフォーマットは大きく分けて3種類あります。
このなかでは編年体形式が一般的ですが、それぞれの特徴を知ったうえで、自分のキャリアや現在の状況、応募企業の業態にふさわしいテンプレートを選びましょう。
編年体形式
- 自分の職務経歴を、過去から時系列順に記載していく形式
- スキルに習熟(成長)してきた過程を分かりやすく伝えることができる
- 履歴書の内容と合わせて経歴を確認しやすい
Point
キャリアが浅い方や直近の業務におけるアピールポイントが少ない場合はこの形式が記載しやすいでしょう。また、採用担当者も見慣れている場合が多いので、特に指定やこだわりがなければこの形式がおすすめです。
逆編年体形式
- 編年体形式とは逆に、最新の経歴から過去へ時系列を遡って記載していく形式
- 応募職種が自身の直近の業務内容に近い場合は、アピールしやすい
Point
社会人経験が長く多くの経歴を持つ方も、直近のスキルなどをわかりやすくアピールしたい場合はこちらの形式がおすすめです。
キャリア形式
- 時系列は用いず、業務内容や携わったプロジェクトなどの単位で自身の経験をまとめていく形式
- 記載の順番に規定はないため、アピールしたいものから書いていく
- 自分がどんなキャリアをつんできたか、どこでどのような実績を上げてきたかなどをアピールしやすい
Point
技術職などの専門性の高い職種の方や、経験を積むために数多く転職をしてきたような方にはこちらの形式がおすすめです。
職務経歴書を送るとき、持参するときのポイント
郵送する場合
- 封筒に宛先を丁寧に書き、赤文字で「職務経歴書(応募書類)在中」と記載する
- 水濡れ対策などから、油性ペンの使用が望ましい
- 裏面の氏名住所も忘れずに記載する
- 添え状を同封すると、より丁寧な印象になる
面接時に持参する場合
- 持参時も、汚れやシワ防止のため封筒に入れておく
- 宛先は不要だが、受付などで提出する可能性も考えて裏面の氏名住所は記載しておく
- 面接時に提出を求められた際には、封筒から出して渡す
Point
郵送、持参の場合共に、折れや汚れを防ぐため必ず封筒を使用しましょう。
封筒は「角形A4号(角A4)」か「角形2号(角2)」がおすすめです。
メールで送付する場合
- 職務経歴書はPDF形式に変換し、ファイルにパスワードをかけて送付するのが望ましい
- 採用担当者が件名で内容が判断できるように、分かりやすい件名をつける
(例)「〜職の応募書類送付の件(氏名)」
書類選考を通過できる職務経歴書を目指して
採用担当者は膨大な応募書類に目を通しています。
そのため、どんなに素晴らしい経歴だったとしても読みづらかったり分かりにくい書類で選考を通過することは難しいでしょう。
文章を羅列するだけではなく、ポイントを押さえて文章を要約したり、見出しや箇条書きを活用することで、興味を持ってもらえる職務経歴書を目指しましょう。
また、最後には改めて読み返し、応募企業の求めるポイントを満たした内容になっているかも確認してみましょう。
書類選考通過はもちろん、その先の面接でより印象深い自己PRができるようにストーリーをしっかり考えた準備をすることが重要です。
最後にもう一度CHECK!
・書類、添え状、メール文などに誤字脱字はないか
・入社/ 退職などの表記が統一され、年月を間違えていないか
・見出しの使用や箇条書きを用いて、読みやすい文面になっているか
・具体的な内容を盛り込んで簡潔にまとまっているか