臨床検査技師は、専門的な知識を活用して陰ながら患者さんを支える病院にとってなくてはならない存在であり、今の時代一番注目されている予防医療に一番近い存在であるため、この仕事に誇りを持っている人は多くいると思います。
ですが大変なことも多く、日々の業務や人間関係につらさを感じ、辞めたいと考える人も多いのではないでしょうか?
今回は、臨床検査技師が仕事を辞めたいと思う理由や、どのような人がやめるべきか続けるべきか、もし転職する場合の転職先や注意点など役に立つ情報をお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
臨床検査技師を辞めたいと思う理由
臨床検査技師が辞めたいと思う理由は、さまざまです。
ここでは臨床検査技師が辞めたいと思う理由を5つ紹介していきます。
つまらないから
毎日同じ単純作業であることが多いため、やりがいを感じずに『つまらない』と思ってしまうケースがあります。
苦労して得た国家資格だからということもあり、簡単にやめてしまうのはどうかと思ってしまうため、やめたいけどやめられないという状況になってしまうことが多いです。
人間関係が良くないから
職場の人間関係に悩んで辞めたいと感じる場合があります。上司や看護師さんなどからきつく当たられることによるストレスが多いようです。
また、病院の検査室やクリニックは人事異動が少なく狭い世界になりやすいため、ひとたび人間関係がこじれると自分の居場所が無くなってしまい、働き続けるのが難しくなってしまいます。
残業が多く、仕事が過酷だから
基本的に臨床検査技師の仕事は激務になることが多いです。病院の場合、24時間体制だと夜勤や当直が存在します。患者さんの数が多い病院では、検査業務が終わらずに残業することも多々あります。クリニックの場合も、閑散期と繁忙期が存在し、繁忙期になると本当に人手不足で体力を消耗します。
近年だとコロナによる影響で激務になっている病院・クリニックは多いです。
また、臨床検査技師の仕事はシフト制であることが多く、長期休みが取りにくいところからやめたいと感じる人もいます。
勉強することが多い・学会発表させられる
医療は日々進化しており、最新の情報を得るために講習会や勉強会に出る必要があります。ただ、普段の仕事の時間は激務であるため勉強に時間を取ることができず、休日返上でプライベートの時間を削って勉強する必要があります。
ある意味タダ働きです。
また、縁の下の力持ちとしての役割を担うことが多い臨床検査技師ですが、時に学会発表をさせられることがあります。発表のために勤務時間外で準備をし、普段行うことのない大勢の人前で発表させられるのです。それを苦手とする臨床検査技師も多いのではないでしょうか?
これだけ大変なのに給料が低い
医療職は患者さんの命に関わる仕事であり、責任重大です。場合によっては危険な薬品・検体を扱うため、一歩間違えると私たちの方が命を落としてしまうかもしれない仕事です。
そして患者さんのために自分の休みを削って勉強し、ひと息つく暇もなく必死に業務をこなすことが多い職業です。
それだけ忙しい仕事であるにも関わらず、放射線技師や看護師と比べると給料が低めなのが現状です。
また、どれだけ勉強など努力をしても歩合制ではないため、給料が一気に上がることはありません。
臨床検査技師を辞めるべき人と辞めない方がいい人の違い
辞めたい理由がはっきりしている場合は動き始めたほうがいいかもしれませんが、理由が明確でない場合はもう少し考え直した方が良いでしょう。明確に決めておかないと、いざ辞めた後に次の目標を決めることができず、途方に暮れてしまうかもしれません。
ここでは、辞めるべき人はどんな人か、辞めない方がいい人はどんな人かまとめていきます。
まだ辞めようか迷っている方はぜひ参考にしてみてください!
辞めるべきではない人
まず辞めるべきではない人です。これらに当てはまった場合は、一旦考え直した方がいいかもしれません。
- 入社して2年未満の人
- 次の目標・メドが立ってない人
- 「なんとなく」辞めたい人
入社してまだ1年や2年目、特に新卒の場合はすぐ辞めるのは危険です。中途採用では、中途採用では即戦力が求められるため、1から教えるとなると採用されにくくなります。
また、辞めるにしても次の目標をはっきりと定めていない場合、転職が大変になります。特に臨床検査技師は募集が少ないため、臨床検査技師を続けるのであればタイミングが大事になってきます。他の職種で考えている場合も、ゼロからのスタートになるため自分の強みなどのアピールポイントの準備が必要になってきます。働きながらの就活も可能なので、焦らずにいきましょう。
「最近ミスばっかりして嫌だからやめたい」という理由の場合は特に考え直した方がいいかもしれません。みんな繁忙期で疲れていたり、突然新しいことを学んだ時はミスをし、落ち込みます。ただ、どこで働いても起こることであるため、その都度その都度やめていると信用されなくなります。注意しましょう。
辞めるべき人
次に辞めるべき人です。これらが当てはまったらすぐに新しい職場を探しましょう。
- 精神面・健康面に影響が出てきてる人
- 向上心を持てない人
- 体力的にきついと感じている人
- 臨床検査技師ではない仕事をやりたい人
人間関係による精神的ストレスで食事が喉を通らなかったり、眠れないなどの影響が出てきてる場合はすぐにでもやめましょう。休職という選択肢もありますが、「もうこの職場に戻りたくない」と思うのであればやめるべきです。うつ病になってしまったりしたらその方が大変です。
向上心を持てない場合も同じです。やりたくない・楽しくない仕事を毎日続けていても時間の無駄です。自分が将来に向けてどういう仕事を行なっていきたいか考えた時、その考えたことが今の職場でできないのならやめるべきでしょう。
病院での24時間体制がきついという方は、クリニックなどの日勤に変えるだけで楽になります。また、残業が多くてきつい場合も残業が少ない転職先で調べると出てきます。そのため、『つらいけど我慢』はする必要はありません。
臨床検査技師以外の職にも興味がある場合も挑戦する価値はあります。この場合は、働きながらの転職活動がおすすめです。ただ、未経験からの中途採用はなかなか大変であるため、やる気が必要です。
辞める時のおすすめの転職先
辞めたいと決めてもどういうところに転職したらいいかわからない方も多いと思います。特に病院の臨床検査技師の場合は、どの検査室に今まで配属になってたかでも転職先の選択肢が大きく変化します。
ここではどのような転職先があるかを紹介していきます。
クリニックの臨床検査技師
病院のような緊急性がなく、仕事量も病院と比べると少ないところが利点です。
ただ、クリニックに在籍する臨床検査技師は基本的に1名〜2名と少ないので、ある程度一人でなんでもできる能力が必要です。また、忙しい時期や時間帯も存在します。
年末年始やお盆休み、GWもお休みのクリニックが多いので、その点もおすすめです。
健診・検査センターの臨床検査技師
病院時に生理検査配属であった場合は健診センター、検体検査配属であった場合は検査センターに転職すると、今までと仕事内容が大きく変わることなく臨床検査技師として続けることが可能です。
また、健康的な方が基本的に検査対象となるため、病院の検査室のような病院の検査室のような緊張感はありません。
もしエコー経験者がある場合は、基本給が上がったり優遇して採用してもらいやすいため、健診センターは特におすすめです。
ただし、健診センターで巡回健診を行なっている施設だと早朝出勤や出張があることが基本なので、転職先で健診センターを考えている場合はしっかりとリサーチしましょう。
治験関連施設や製薬会社などの一般企業
一般企業で考えている時におすすめなのが、治験関連施設や製薬会社です。
治験コーディネーターや臨床開発モニターは今までの経験を活かすことが可能なので、臨床検査技師からの転職が多いです。
また、お給料が上がる場合が多いです。
ただ、病院とは違い一般企業になるため、営業を行う必要があります。病院の検査室にいた時より多くの人と関わることになるため、ビジネスマナーも今まで以上にしっかりと身につけていく必要があります。
転職する時の注意点
まず、自分の理想の働き方を明確にしましょう。
どのようなところでどのように働きたいかを明確にしておくことで、転職先の選択肢を決めやすくなります。
このタイミングで人生のキャリアプランを考えておくと良いでしょう。
臨床検査技師から臨床検査技師の転職は、今すぐ人材が欲しい企業が中途採用をしている点や今までやってきたことと大きく変わることはないため、スムーズ転職先を決めやすいです。
臨床検査技師から異業種の場合は、理念が大きく異なったり未経験からの挑戦になるため、転職は苦戦しやすいです。自分の性格や自分のやりたいことと照らし合わせながら決めるようにしましょう。
2〜3ヶ月前には転職する旨を伝えるようにしましょう。内定が出てから転職をする旨を伝えると上司に止められることなく、スムーズにやめやすくなります。