
「臨床検査技師にはどんな仕事があるのだろう?」
「臨床検査技師に病院以外の就職先があるなら知りたい!」
そんな悩みを持った方も多いのではないでしょうか?
臨床検査技師は生理機能検査や検体検査など様々な仕事ができることもあり、働く場所が多く存在します!
また、資格を持っていることにより少し知識があるためにやりやすい仕事も存在します。
今回は臨床検査技師の就職先とその就職先ごとに求められる能力、選ぶときに注意すべき点などを紹介していきます。
仕事の種類によって働き方が大きく変化してきますので、自分に合った就職先を見つけていくためにもぜひ参考にしてみてください!
臨床検査技師の就職先を9つ紹介
臨床検査技師の就職先は主に下記のようなところがあります。
- 病院
- クリニック
- 健診センター
- 検査センター
- 血液センター
- 大学研究室・研究所
- 保健所
- 治験関連施設(SMOやCRO)
- 医療機器メーカー・製薬会社
では、一つひとつ紹介していきます。
病院

臨床検査技師の就職先の中でも最も多いのが、病院就職です。
病院でも大学病院や総合病院などの大~中規模な病院に検査部門がついていることが多いです。
また大学病院などの大規模病院ほど生理機能検査と検体検査が細かく分けられ、自分の担当業務が決められており、それを専門にこなしていくことが多いです。
一般病院などの中規模病院の場合は、生理機能検査も検体検査もどちらもやることが多いです。
大規模病院の場合、自分が希望している検査が行えない可能性もあります。
もしやりたい仕事が決まっている場合は、それらも意識しながら探していくことが重要になってきます。
病院の場合は患者が入院していることもあり、夜勤が発生する職場が多いです。
病院で働く臨床検査技師は検査業務を通して医療スタッフや患者と接するため、コミュニケーション能力が求められます。
クリニック
クリニックとは病床を持たない、もしくは病床数が19床以下の小規模の医療施設のことをいいます。
クリニックでは検査室を設置しているケースが少なく、臨床検査技師は少人数で医師の指示に従って検査を行うため、一人に求められられる検査業務が多くなってきます。
検体検査は検査センターに外注することが多いため、臨床検査技師の業務としては生理機能検査が中心です。
クリニックは臨床検査技師が少ないこともあり、自由に休みをとりにくい可能性があります。
職場で臨床検査技師が1人ということも多く、クリニックに勤務する医師や看護師など他の医療職と連携して働くためのコミュニケーション能力、1人で素早く様々な業務をこなせるような対応力が求められます。
健診センター
健診センターは人間ドックや一般的な健康診断(健診)を専門に行う施設です。近年予防医療が注目されていることもあり、会社が健診を受けるように促していることが多く、需要が高いです。
健診センターは基本的に生理機能検査を行い、検体検査は外部の検査センターに委託しているケースが多いです。採血は看護師が行う施設もあります。
健診センターでは特に超音波検査ができる人が求められています。腹部や乳エコーは検査したい受診者が多いため、求人も多く存在します。
多くの受診者を一気に検査していくので臨床検査技師の人数が多く、基本的に検査は分担制です。
健診センターによって事務処理まで行うところと検査のみ行うところと様々です。
健診センターでは基本的に健康な人が来ることもあり、「お客様」として受診者と接するため、接客能力が求められます。また繁忙期には大変多くの受診者が来るため、どれだけ素早く正確に検査を行えるかが鍵となってきます。
検査センター
検査センターは病院やクリニックから持ち帰ってきた検体の検査を行う施設です。
検査設備整ってない医療機関の検体や、設備が整っていても対応していない特殊な検査項目を代行して行うのが検査センターの役割です。
検査センターは検査部門が複数分かれており、臨床検査技師も多くいるのが特徴で、多くの医療機関から送られてくる膨大な量の検体をその部門ごとで検査しています。
また、夜勤があることもあります。
基本的に検体と向き合うことになるため、コミュニケーション能力はあまり求められません。
多くの検体が来ることもあり、様々な症例を見ることができるためその分野の専門家になることができます。
細胞検査士などの専門的な資格を持っていると有利になってきます。
血液センター
血液センターの正式名称は「赤十字血液センター」といいます。「献血」まさに血液センターの仕事の一つです。
その献血された血液を検査・品質管理・製剤し、医療機関に供給するまでを行うのが血液センターの仕事です。
そのため、血液センターでは血液に関する仕事のみ行うことになります。夜勤はありません。
血液センターで働く場合、日本赤十字社の社員になります。競合する会社はほぼないため、安定した職といえます。
こちらも基本的には血液検体と向き合うことになるため、コミュニケーション能力はあまり求められません。
全ての仕事が血液に関連したものになるため、血液検査や血液調整剤に興味がある人がおすすめです。
大学研究室、研究所
大学研究室で働く場合、医療に関する研究を主に行なっていきます。基本的に大学院の博士課程までいった方が教員として働きながら研究することが多いです。
大学に定時はありますが、研究中心になってくるため昼夜問わずに研究する可能性があります。
大学研究室となると学生と関わること、また研究内容によって企業や医療機関と連携して研究や開発を行うことになるので、誰とでも話せるコミュニケーション能力や柔軟な対応力が求められます。
保健所
保健所での仕事内容としては、「食品営業施設などの許認可」「自治体の施設や食品営業施設での衛生確認」「食品の残留農薬や不添加物を調べる理化学検査」「食中毒や感染症が発生して場合の検査」「調査を行う施設に必要な指導を行なう」などがあります。
法令や通知によって定められた検査法に従い、検査を行います。
保健所で働く場合は、臨床検査技師の免許と一緒に公務員試験にも合格しなければなりません。
臨床検査技師ですが、公務員として働くことになるため残業は比較的少なく、夜勤は特にありません。
地域の保健所となるため、地域住民や企業と接する機会が多くあります。
保健所にいる獣医師や薬剤師などの専門職や地域住民など様々な人と関わる機会があるため、コミュニケーション能力と周囲と連携しながら仕事を行なっていく能力が求められます。
治験関連施設(SMOやCRO)
治験関連施設として代表的なのが、医薬品開発業務受託機関(CRO)や治験施設支援機関(SMO)です。
CROは、医薬品開発時に製薬メーカーが行う治験業務を代行・支援する機関です。ここで臨床検査技師は、製薬メーカーなどの依頼者側の立場になり医療機関で適切に治験業務が行われているか「臨床開発モニター(CRA)」としてモニタリングしたり、医師へのヒヤリングを行います。
SMOは、製薬メーカーの治験関連業務を依頼された医療機関と契約をし、治験業務の支援を行う機関です。ここで臨床検査技師は、医療機関側の立場で被験者や医療機関、治験依頼者の間に入り全体の調整を行う「治験コーディネーター(CRC)」として医療機関に派遣されます。
基本的に治験業務を行う施設へ出向くことになるため、移動が多いです。夜勤はありません。CRAの方が給料が高く、残業も多いようです。
CRA、CRC共に治験を円滑に行うために必要な存在です。CRA、CRC共に人と関わる事が多いため、コミュニケーション能力が求められます。CRAは医療機関側と、 CRCは患者側と関わる事が増えていきます。また企業間の行き来が多いため、フットワークの軽さが求められます。場合によっては、運転免許取得が必要になるケースもあります。
医療機器メーカー・検査薬メーカー・製薬会社等の企業

医療機器メーカーで働く場合、「アプリケーションスペシャリスト」という営業担当者の補助として医療機器の説明やデモンストレーションを行なったり、機器のメンテナンスを行うのが主な仕事です。
検査薬メーカーで働く場合は、今度検査薬の使用方法やデモンストレーションを行うことで営業担当の補助をしたり、検査薬の製造を行うのが主な仕事になります。
製薬会社で働く場合は、「臨床開発モニター(CRA)」として自社製品の治験を実施してくれる病院と交渉し、契約、モニタリングして、治験データを回収するのが主な仕事となります。
全ての企業で言えることは、自社製品を扱っていくため機能や特性、操作方法など自社施製品に対する知識を高める必要があります。CRAは治験に関する知識も高めなくてはなりません。営業の補助として付く場合は取引先に伺う事が多いため、自動車運転免許取得が必要になるケースがあります。
また、自分の会社外の第三者に自社製品の使用方法や治験内容をわかりやすく説明する必要があるためのコミュニケーション能力、失礼がないようにするための社会人としてのビジネスマナーが特に求められます。
臨床検査技師の就職先まとめ
今回は臨床検査技師の代表的な就職先として9つ紹介しました。
就職先によって仕事内容だけでなく、求められるスキルや勤務形態などが大きく変わってきます。
まずは自分のやりたいことをピックアップし、自分のライフスタイルに合わせて仕事を選んでみましょう。就職後にどうしていくかまで考えて決めていくと働きやすくなります。
そして、自分ができるスキルと求められているスキルが合っているかを確認しましょう。
時には募集先に電話してみると意外と未経験可能な場合もあるのでぜひ確認してみてください。
この記事が少しでもみなさんのお役に立てると幸いです。